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2018/09/12 マッチングアプリ

マッチングアプリが40才独身社長の心の隙間を埋める…?(タップル誕生編後編)

 

40歳独身、IT企業社長。誰もが羨む経歴を持つ彼がマッチングアプリを使う理由とは…?
彼の隠された闇を暴いていくストーリー。
心が満たされない社長はタップル誕生を始める。彼は本当の愛を探しだせるのか…?

>>前編はこちら

 

「イタリアンも値段も別にどうだっていい。その前にまずいくつか聞きたい。正直に答えてくれるか?」

 

自分で驚いたほど私の語気は荒い。

後悔や反省、自分への失望は、私の平常心をかき乱している。

 

「うん。…何?もしかして嘘ついたこと怒ってるの?でもおばちゃんより若い子の方がいいでしょ!?

ちょっとしたサプライズみたいなもんだよ!」

 

「そんなサプライズもどうでもいい。君は今何歳だ?」

 

「ぶっちゃけ18」

 

悪びれる様子もなく自然に彼女は言った。

まだスマホをいじってはいたが、画面はインスタグラムだった。

 

スマホ

 

私は様々な感情が沸点を越えて、蒸発していくのを感じた。

 

「どうして35歳なんて嘘を?」

 

「だって30歳以上がいいっておじさん、プロフィールに書いてたじゃん。

でアニメ好きなんでしょ?だから秋葉で街合わせにしたんだ。

全部おじさんの好みに合わせたんだよ。銀行員はただの思いつきだけどね。実際はただのフリーターでーす」

 

蒸発した後、新たにわいた感情は落胆だった。

 

「…どうして私に合わせたんだ?」

 

「うーん。ぶっちゃけ優しそうでお金持ってそうだったから。ま、お金持ちで優しければ誰でも良かったんだけどね」

 

「…」

 

彼女は礼儀や道徳という階段を5段抜かしほどの勢いで駆け上がっていく。

そして口から出る言葉はもはや正直を越えて煩悩の域だ。

 

私は人生で初めて珍獣を相手にしているような錯覚に襲われていた。

 

戦後に逆戻りでもしているのか?

 

「とりあえずは飲みに行こうよ。こんな駅前で立ち話してるのもなんだし」

 

「18歳が飲みになんて行けるわけないだろ」

 

「大丈夫。私、年確されたことないから」

 

…年確?なんだそれは?

 

「年確?」

 

「年齢確認だって。やだなあおじさん。会話が成立しないよ。そんなんじゃあ若者とのワンチャン逃がしちゃうよ」

 

 

…住む世界が違い過ぎる。

早く家に帰ろう。

 

 

「年齢確認の問題じゃない。飲みには行かない」

 

「えー!おじさん固いなあ。今まで会った人はみんな連れてってくれたのに」

 

 

一体今、この国はどうなっているんだ?

戦後に逆戻りでもしているのか?

 

 

「とにかくダメだ。私は君と食事する気はない。帰ろう」

 

「ヤダよ。せっかく秋葉まで来たのに。

ご飯くらいご馳走してよ。あ、まさかおじさん実はお金ないの?

お金ないんだったら私も帰るよ。私、自分のお金使う気ないし」

 

 

落胆を飲み込むようにしてわいたのは、怒りだった。

 

何のルールも持たない珍獣を相手に、私は冷静さを完全に失っていた。

 

何を血迷ったのか、私は自分の肩書と所有している財産を正直に話してしまった。

言い終えた直後、怒涛の後悔が押し寄せてきたが、時すでに遅しだった。

 

「え?お金持ちっていう次元じゃなくない?もうそれ神レベルじゃん!やばっ!

とんでもない人と出会っちゃった!ねえ早くどっか行こうよ!」

 

初めて彼女はスマホをバッグにしまい、私の顔をまじまじと見つめた。

 

若いのは当然だが、18にしては色気がある方だろう。

顔の作りも整っている。性格はさておき、ルックスだけならかなりの美人といっていい。

 

スタイル

 

彼女がマッチングアプリで年上(中年)を相手にする理由が分かった。

アンバランスな色気とこの勢いがあれば、たいていの大人は誘惑に負け不義理を果たすことになるだろう。

 

感情的に口走ってしまった私は、その反動で冷静さを取り戻しつつあった。

 

傲慢も甚だしい

 

「とにかく、今日はもう帰ろう。悪いけど君と食事する気はない」

 

「えーヤダ。絶対帰らない。こんな機会めったにないんだから。私、絶対に帰らないよ」

 

「それは君の勝手だ。秋葉原で遊んで帰ればいい。

ふらふらしていれば君のルックスならすぐにナンパでもされるだろう」

 

「はあ!?何それ!ナンパするクズなんか相手にしないし!いいからどっか行こうよー。

…あ…もしかして…」

 

彼女は私の腕に自分の腕を回しながら言った。

 

腕をまわす

 

「ご飯じゃなくて、いきなり、がいいの?いきなりかあ。

ま、私は別にそれでもかまわないけど。

でも高くつくよー。あ、お金は腐るほどあるんだからどうでもいいのか」

 

その言葉を聞いた瞬間、何かのスイッチが切り替わる音が聞こえた。その音は心の奥のさらに向こうで静かに鳴り響いた。

 

私は彼女の腕を全力でふりほどいて、怒気を込めながら言った。

 

「…おまえ、自分で何を言ってるのか分かってるのか?」

 

「え!?ちょっと何怒って…」

 

「いいかげんにしろって言ってるんだ。自分を大切に扱わない奴こそクズだ。

ナンパ男なんてかわいいくらいだ。今のおまえほどのクズはなかなかいない」

 

「は!?何それ!?いきなり説教とかマジでありえ…」

 

「いいから黙って聞け。18のおまえにはまだ分からない、と言うつもりはない。

俺は年齢による差別なんかしない。俺に分かることはおまえにだって分かることばかりなんだ。

俺が言いたいのは自分を大切にしろってこと、ただそれだけだ。

金が欲しいのは分かる。金も大事だ。とてもな。

だが金を得るために自分を犠牲にするのは間違っている。絶対に間違っている」

 

私は感情を爆発させながらまくしたてた。こんなことは生まれて初めてだった。

しかも相手は18才。なんと情けない大人だろうか。

 

作り笑顔ですら完全に消え、彼女は無表情でまたスマホをいじり始めた。

どうやら友人にラインをしているようだった。

その指の動きは残像が見えるほどに素早い。

多分今から会える友人を探しているのだろう。

 

彼女の様子を見て私は自分が取り返しのつかないミスを犯したことに気付いた。

 

「…声を荒げてしまい申し訳ない。説教なんてするつもりはなかったんだ。…すまない」

 

彼女は無反応のままラインをうっている。

 

私は「惨敗」を感じた。何に負けたのか…自分に、だ。

 

彼女の沈黙には様々な感情が含まれていたが、当然ながら私への批難がほとんどだった。

 

彼女は初めから、タップル誕生で連絡をとっていたあの時から、主義主張が一貫している。

 

私との食事を楽しむつもりなんて彼女には初めからなかったのだ。彼女の目標は純粋にお金だったのだから。

 

お金

 

彼女は何も間違ったことはしていない。間違っていたのは…私だ。

 

私はその重い沈黙に耐えられなかった。まるで酸素が不足している密室に閉じ込められたようにひどく息苦しかった。

 

1秒でも早くその場を立ち去りたかった。

 

せめてもの償いだったのか、それとも逃げるための口実だったのか、自分でもよく分からないまま私は彼女に5万円を手渡した。

 

彼女は私を見ることも、礼を言うこともなく、その5万円を力任せに握りしめ、秋葉原の街に溶け込んでいった。

 

私はいい気になっていたのだ、と心から自分のバカさ加減を呪った。

 

2回連続で見知らぬ人と楽しい時間を共有することができて、どこかで、今回もそうなると思い込んでいた。

 

傲慢も甚だしい。

 

マッチングアプリにもCにも問題はない。

 

いつの間にか、女性を自分を癒す道具のように扱っていた私が問題なのだ。

 

私の警戒心が欲に敗北しなければ、私もCも今夜、こんな嫌な気持ちになることはなかったのだ。

 

稀に見るほど打ちのめされた私は、しばらく一人で秋葉原の駅前に立ち尽くしていた。

 

駅前は、帰宅する人や飲みに行く人でにぎわっていた。

 

彼らは雑踏の一部ではなく、一つの目標を持った命ある個体だった。

 

彼らの目に今の私はどのように映っているだろうか?

 

と考えたが、それは愚問だ。きっと彼らの目に私は映っていない。

 

今の私は雑踏の一部でしかない。景色の一部。すなわち記号。

 

眩い光に溢れた駅前を見るのは辛く、しかたなく夜空を見上げたが、そこには月も星も、雲ですら見当たらなかった。

 

 

タップル誕生での裏切りに傷心中の社長。次回はいよいよラスト…!

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