プレゼンや面接などの人前で話す場面で緊張してしまう人も多いことでしょう。あるいは、「明日、大きな発表が控えている」と考えるだけで緊張してしまう人もいるかもしれません。
緊張しすぎると、自分の能力を十分に発揮できず、パフォーマンスに影響を与えてしまいます。
この記事では、緊張をしてしまう原因と緊張をしない方法20選を紹介します。あがり症を克服したい人はぜひ参考にしてくださいね。
緊張をしてしまう原因
人前で話したりするときに、まったく緊張しない人もいますよね。緊張する人としない人の違いは何でしょうか。
緊張してしまう人は、自分ではまったく気づいていない原因があるかもしれませんよ。
ここでは、緊張をしてしまう原因を4つ紹介します。
失敗したときのことを考えすぎる
緊張してしまうのは、失敗したときのことを大げさに考えすぎてしまっているからです。「絶対に失敗してはいけない」と意識をすればするほど、緊張の度合いがどんどんと高まってしまいます。
失敗を恐れてしまうのは、「失敗しないようにやり遂げる」「自分が思い描いたように進めていく」と何事も完璧にやり遂げようとする完璧主義だから。完璧を追い求める姿勢は立派ですが、度が過ぎると、かえってそれがプレッシャーとなって緊張してしまいます。
人目が気になる
緊張する人は、人目を気にしすぎる傾向にあります。周囲からの評価が気になって仕方がなく、自意識が過剰になっていると言えます。
「この話をしたら、きっとおかしいと思われるだろうな」と相手の気持ちを勝手に推測して気にしすぎたり、他人に良い印象を持ってもらわなければならないという意識が強かったりするのです。だから、話している途中でも、他人の目や顔色ばかり気にしてしまい、緊張が増してしまうという結果につながります。
準備が不足している
緊張してしまう原因として、ただ単に準備不足ということも考えられます。「これくらいで問題ないだろう」と高をくくるのですが、本番が近づいてくると、話す内容や資料が不十分だったり、練習不足だったりすることに気づいて不安を抱きます。
完璧と言えるほどに準備する必要はないかもしれませんが、自分が納得できるレベルまでは準備しておきたいところです。でも、緊張してしまう人は、「これだけ準備したから大丈夫」と思えるほどのレベルに持っていけていないため、どうしても不安が大きくなり、緊張するのです。
「緊張しないようにしよう」と考えすぎる
「緊張しないようにしよう」と考えすぎるのも、緊張をしてしまう原因の1つです。
実は、「緊張しないでおこう」と考えれば考えるほど、緊張していることに意識を向けてしまうことになるので逆効果なのです。「考えないようにしよう」と意識をすると、逆に考えてしまうことを、心理学では「抑制の逆説効果」というそうですよ。
「緊張しないように」と集中すればするほど緊張が増してしまうので、不安も募っていきます。
緊張しない方法20選
できるだけ緊張せずに、プレゼンや面接に臨みたいと思う人も多いことでしょう。
ここでは、緊張しない方法20選を紹介します。
深呼吸をする
緊張しているときには、深呼吸をして、緊張をほぐしましょう。
緊張しているときは、自分ではあまり気づかないかもしれませんが、呼吸が浅くなっています。呼吸時に使う筋肉も、無意識に緊張してしまっているからです。そこで、深呼吸で全身の緊張をほぐしましょう。
特に、腹式呼吸がおすすめです。お腹を凹ませながらゆっくりと口から息を吐き切り、次にお腹を膨らませながらゆっくりと鼻から息を吸い込みます。意識して呼吸することで、副交感神経が優位になって、緊張がほぐれます。
緊張しないツボを押す
緊張をほぐすツボを押しましょう。
手のひらの中央にある「労宮(ろうきゅう)」というツボを押せば、緊張がほぐれると言われています。労宮は、手を握ったときに中指と薬指の先端が手のひらに当たる部分です。日頃から緊張することが多い人は、労宮を少し刺激するだけで痛むのだそう。プレゼンや面接前などの高ぶった神経を抑えて気分を落ち着かせてくれるツボだそうです。
深呼吸しながら、反対の手の親指で5秒押します。これを5回繰り返します。これなら、本番直前にも簡単に行えますね。
緊張を和らげてくれるおまじないをする
緊張を和らげてくれるおまじないを取り入れてみるのもおすすめです。
1番有名なのは、手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込むというおまじないです。自分が相対する人を飲むことで、相手に飲み込まれないようにするという意味があります。ゆっくりと深呼吸しながら、おまじないをしましょう。
緊張をほぐす「労宮」というツボも手のひらの中央にあるので、「人」という字を書くことで労宮も刺激することができます。深呼吸しながら、強めに「人」を書けば、さらなる効果が期待できるかもしれませんね。
成功するイメージを描く
プレゼンや面接などで成功している自分の姿をイメージして、潜在意識に自己暗示をかけるのも有効です。イメージトレーニングによるパフォーマンスの向上は、科学的に証明されているほど。
5感をフルに使い、1つ1つ具体的にリアルにゆっくりと思い描きます。臨場感を持たせることが大切です。プレゼンの場合なら、開催場所や出席者をはじめとして、実際に自分がプレゼンをしている姿、相手の反応など、事細かにイメージしていきます。
成功の瞬間を思い描き、喜ぶことで、その成功が潜在意識に刷り込まれ、自分に自信が出てきます。
不安がなくなるまで事前準備を行う
「これで大丈夫」と自分自身が完全に満足できるところまで、事前準備を行いましょう。不安や恐怖を感じて緊張してしまうのは、事前準備が不足しているためです。
プレゼン資料を早めに作り上げて内容を幾度も見直す、プレゼンのイメトレやリハーサルをする、相手の反応を予測して迅速に返答できるようにするなど、時間に余裕をもって徹底的に準備をすれば、不安や恐怖も感じなくなるでしょう。心に余裕が出て、自信が持てれば、緊張もしなくなります。
「失敗しても誰も何も思わない」と思う
たとえ失敗したとしても、他人はそこまで気にしないと考えておくと良いでしょう。失敗を恐れて緊張してしまう人は完璧主義な傾向にありますが、緊張しない人は「失敗しても大丈夫」と他人の評価をそこまで気にしていません。
聞いている人たちも、実は違うことを考えていたりするものです。心当たりはありませんか。絶対に失敗しない人間なんていませんし、聞き手もそこまでの完璧さは求めていないでしょう。
たとえ実際に失敗して、厳しく評価されたとしても、そこから学習すればよいでしょう。自分の成長につながります。
「緊張してます」と正直に言う
緊張していることを正直に伝えておくというのも手です。
緊張を隠そうとすればするほど、意識が緊張している状態に向くわけですから、言動が不自然になりますよね。それなら、いっそのこと、プレゼンや面接の最初に「実は今、とても緊張しています」と正直に白状してしまうのがよいでしょう。
場慣れして緊張しないという人でも、緊張していた過去があるはずです。誰もが通る道ですから、正直に緊張していることを伝えたところで、特に聞き手も気にしないでしょう。正直に伝えることで、場が和むこともありますよ。
好きな音楽を聴く
好きな音楽を聴いて、緊張をほぐすのもよいでしょう。好きな音楽を聴けば、心も体もリラックスできます。
音楽には、高ぶった神経を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。緊張しているときには交感神経が高ぶっていますが、好きな音楽を聴けば、副交感神経が優位になって緊張がほぐれるのです。
どのようなジャンルであっても、自分の好きな音楽であれば、体の緊張状態が解けるという研究結果もあるそうです。音楽に意識を向けずに、無意識で聴いているだけでも効果があるとのことなので、ぜひ試してみましょう。
リラックスできる香りを嗅ぐ
緊張をほぐす効果がある香りを嗅ぎましょう。
香りは、自律神経活動やホルモン分泌をコントロールしている視床下部へダイレクトに伝わるので、自律神経が調整され、心身のバランスが整うと言われています。
香りを楽しむ方法にはいろいろありますが、気軽に試せるのはアロマやお香、ハーブティーでしょう。リラックス効果のあるラベンダー、緊張を緩和するカモミール、不安や緊張を和らげるオレンジなどがおすすめです。
「緊張している自分」を客観視する
緊張している自分を自覚して、客観視することも有効です。
「緊張してはいけない」と意識を集中すればするほど、緊張感が高まり続けて、自分を追い込んでしまいます。そこで、「こんな状況なら、緊張しないはずはない」などと、一歩引いて客観的に見てみましょう。
「すべて完璧にやり遂げたい」という完璧主義な部分があるなら、「誰だってミスする」くらいに意識を変えます。緊張している自分を受け入れて、冷静に見ることで、緊張をコントロールできるようになるでしょう。
「緊張」ではなく「テンションが上がっている」と考える
「緊張しているのではなく、テンションが上がっているんだ」という考え方に変えてみましょう。
「緊張しないように」と考えれば考えるほど、逆に緊張してしまうわけですから、無理矢理でも「テンションが上がってきた」という見方に意識を向けます。不安や恐怖で「ドキドキ」しているのではなく、テンションが上がって「ドキドキ」していると考えるのです。
テンションが上がっていると考えられるようになれば、自分の評価を気にせずに、聞き手のために話そうという気持ちにも切りかわって、緊張もしなくなるでしょう。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲んで、緊張を緩和しましょう。温かい飲み物には、リラックス効果があるので、緊張をほぐすにはおすすめです。
緊張は、交感神経が優位に働いている状態です。副交感神経を活発化させれば、緊張も緩和されて、リラックス状態が作れます。
温かい飲み物には、胃腸の血流を促す働きがあり、副交感神経を高めてくれる効果があります。カモミールやラベンダーなどのリラックスできる香りのハーブティーなどを飲めば、さらなる効果も期待できるでしょう。
自分なりのルーティーンを見つける
緊張しないように、自分に合ったルーティーンを見つけることが大切です。ルーティーンとは、たとえば、野球で打席に入るときには、いつも右足から入るというような決まった一連の手順のことです。
緊張するような場面で、いつも同じ動作をするように心がけると、冷静に対応することができるようになります。たとえば、プレゼンや面接の部屋に入る前にいつも深く深呼吸する、あるいは気合の出る言葉を発するなど、自分が心を落ち着かせることができるような動作を決めます。
普段の生活でも同じルーティーンを取り入れて、普段から物事がうまく進んでいけば、その成功している自分のイメージを定着させることができます。
笑顔を作る
緊張を和らげるために、笑顔を作りましょう。緊張していると顔の筋肉も自然とこわばっているので、笑顔を作ることで緊張を無理やりでも解いてあげれば、心の緊張も自然と緩和されます。
顔の表情を作りかえれば、精神状態をコントロールすることができると言われています。たとえば、不機嫌な顔をしていれば、だんだんとイライラしてきますよね。
まずは少しくらい引きつった笑顔でも構いません。笑顔を作ることで自然と自分自身も緊張がほぐれますし、場の雰囲気も和みます。聞き手の顔も明るくなるため、その反応を見ることで、緊張もより一層緩和されることでしょう。
第一声はなるべく大きな声を意識する
緊張してしまう人は、自信がなかったり、顔の筋肉もこわばってたりして、声が震えたり小さくなったりしますよね。でも、緊張しているからこそ、意図的に大きな声で第一声を発することが大切です。
大きな声で話すことに自分の意識を向ければ、緊張していることを忘れることができます。大声で話そうとすれば、口を大きく動かさなければならないので、こわばった顔の筋肉の緊張も自然とほぐれます。また、堂々と大きな声で話せば、自然と自信にも満ち溢れてきますよね。
第一声を大きく発することができれば、少しリラックスできるでしょう。
台本を完璧に覚えようとしない
緊張しないためにも事前準備は大事ですが、台本は完璧に覚えようとしない方がよいでしょう。必ず伝えたい要点だけを覚えるか、紙に書いて参照できるようにしておきましょう。
台本をすべて覚えたとしても、本番で頭が真っ白になって、覚えていた台詞が出てこなければ、泣きを見ることになりかねません。しかし、要点さえしっかりとおさえておけば、少なくとも大事な部分は伝えることができます。
要点をとらえながら自分の言葉で伝えられるように練習しておくとよいですよ。
「自分だけがあがり症」と思わない。誰でも緊張する
「あがり症なのは自分だけ」という考え方を捨てましょう。人は誰でも緊張するものです。
緊張してないように見える人でも、ただ場数を踏んで慣れただけで、緊張していた過去がきっとあるはずです。または、ポーカーフェイスを装うのが得意なだけで、実は手に大汗をかいているかもしれません。
自分の持っている能力を最大限に発揮するためにも、適度な緊張は必要です。緊張しているということは、真面目に向き合っているという証でもあります。多少の差はあれ、誰もが緊張を経験しているので、緊張するほど一生懸命な自分を称賛してあげられるくらいになりましょう。
なるべくたくさん成功体験を積む
緊張しない方法として、なるべくたくさん成功体験を積むということも挙げられます。大きな成功でなくても構いません。小さな成功をコツコツと積み上げていきましょう。
緊張してプレゼンがいつもうまくいかないという人は、多少失敗しても許される、少人数を相手にした場を積極的に作ります。場数を踏むことだけが目的であれば、相手は友人でもよいでしょう。このように、人前で話すことに自分を慣れさせ、小さな成功を収めていけば、成功している自分の姿をイメージとして脳に焼き付けることができて、緊張もしないようになっていくでしょう。
自分ではなく、目の前にいる人に意識を向ける
自分ではなく、目の前で聞いている人に意識を向けましょう。
緊張してしまう原因は、「どうすれば上手に話せるだろうか」など、自分のことばかりを考えて自意識過剰になっているからです。この自分に向いている意識を聞き手に向けるだけで、緊張も和らぎます。
「これを伝えれば、相手にも役立つだろう」「これは喜んでもらえるかもしれない」というように聞き手を思いやる意識に変えてあげると、一気に緊張が気にならなくなるでしょう。
自分が会話をリードする
自分が会話をリードできるようになりましょう。
相手にリードされてしまうと、自分の伝えたいことを口にすることができず、プレッシャーを感じて、ますます緊張してしまうはめに陥ります。自分が会話をリードできれば、心に余裕ができます。
プレゼンなどでは、聞き手に質問されてしまうと、聞き手が会話をリードしてしまうことになりかねません。そのためにも、事前にしっかりと資料を準備して、質問されそうな内容をすべて網羅しておくのがよいでしょう。
まとめ
程度の差はあれ、人は誰でも緊張しますし、緊張することは決して悪いことではありません。真摯に向き合っているからこそ、緊張してしまうのです。
でも、過度の緊張は、やはり精神的には辛いですよね。
この記事を参考に、緊張してしまう原因を追究して、自分に合った克服方法を見つけてくださいね。






