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大学生の必読書!大学生のうちに読むべき小説12冊をカミングアウト!

最終更新日 2023.07.02

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新しい季節、春。
ワクワクの一方で、「これからうまく行くのかな?」「友達できるのかな?」など、環境が新たになることに不安も大きいはず。

あるいは、大学生はとにかく莫大に時間があるので、「どんな風に時間を使えばいいのか?」「俺は何者になるんだ?」と最後の思春期でもやもやしている人もいますよね。

そんなモラトリアムできっとあなたの支えになる12冊を一気にご紹介!

朝井リョウ「もういちど生まれる」(幻冬社 2011)

朝井リョウ「もういちど生まれる」(幻冬社 2011)

彼氏じゃない友達に思いを寄せられたり、美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱いたり。

自分の力だけで生きていると胸を張って言えるわけではない。
じゃあ、子どもかというと無知に振舞える年齢はとうに過ぎている。いちばん自由で、いちばん窮屈。

恋や、将来の不安や、もてあまし気味の孤独の中で揺れ動く大学生5人とその仲間たち。彼らが踏み出す最初の一歩はとても大きい。

おすすめポイント

朝井リョウ「もういちど生まれる」(幻冬社 2011)

20歳の時、早稲田大学在学中に「桐島、部活やめるってよ」にてデビューを果たした朝井リョウ。
早稲田大学キャンパスを彷彿される、私立名門R大を舞台に繰り広げられる青春群像劇。

これは連作短編集になっていて、「あの時のキャラが次の話で主人公に!」「あの話ではキラキラして見えたあの子が実は裏ではこんな暗い葛藤を持っていたんだ」というふうに連鎖を楽しめます。

わたしが一番好きなキャラクターは最後の一遍「破りたかったもののすべて」の主人公、遥。
唯一R大ではなくダンススクールに通う20歳の女の子。

「ダンス」という、普通の大学生が選べなかった道で食べて行く事を夢をもち、周りからは「すごいね!」「わたしにはできない」と見上げられて称えられる一方、「普通になる事」を選べなかった遥はダンススクールでは劣等生であり、コンプレックスに日々悩んでいました。

あなたの周りの「すごいあの子」「憧れの先輩」も、裏では人間臭く悩んだり劣等感に押しつぶされそうになっているのかも。

想像力が広がる一冊です。

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伊坂幸太郎「砂漠」(新潮社 2010)

伊坂幸太郎「砂漠」(新潮社 2010)

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決……。
共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。

自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。
二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて爽快に描く。

おすすめポイント

伊坂幸太郎はわたしのOBでもあり、仙台の学生だったら外せない作家。
5人の仲間と一緒に青春を味わっているような気持ちになって、さらさらっと読めます。

 

なおかつ、エピソードを通して登場人物の成長や変化を感じられたり。
説教臭さや壮大な展開があるわけではないのですが、出会えた人との縁や絆を大事にしたい!と思える物語でした。

大人になってから読むと、「学生って贅沢だなあ」と改めて思います。

「大学は社会という『砂漠』に出るまでの期間」

マニュアル通りの人間になんかなりたくない、社会に出るなんてまっぴら、と感じている学生におすすめ。

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朝井リョウ「何者」(新潮社 2015)

朝井リョウ「何者」(新潮社 2015)

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ?」

就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。
学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……。

自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。
この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。

影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

おすすめポイント

業者からのメッセージには注意!

佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉ら豪華俳優陣によって実写化された映画も話題になった「何者」。
これはツイッターをモチーフにした小説です。

あなたの周りにもいませんか?「未来をよりキラキラさせるためにいま頑張ろう☆」だの「国際**ボランティア企画部委員長/イギリス留学/**社○期インターン」だの、意識高い系プロフィールのSNS運営ボーイアンドガール。

そういう、「痛い」奴を見るとイライラしたり突っついてボロを出させたくなっちゃう、意地悪心を燻らせている人にこそおすすめの小説です。

きっと「ぎゃああ」とのたうちまわりたくなるようなラストが待っています。
朝井リョウはこの本を書いて若干友達が減ったとか、どうとか……とにかく「性格が悪い根性曲がりの小説」です。

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豊島ミホ「神田川デイズ」(Kadokawa 2010)

豊島ミホ「神田川デイズ」(Kadokawa 2010)

ダメダメなあたしたちにも明日は来る。
コタツでとぐろを巻く童貞達にも、自己マン臭ぷんぷんの映研に反旗を翻す女子たちにも、クレバーに生きたい男子にも、つまんない周りとつまんない自分にうんざりの優等生にも、何かになりたくて何にもなれない彼女に。

それでもあたしたちは生きてゆく。凹み、泣き、ときに笑い、うっかり恋したりしながら。
ひたすらかっこ悪く、無類に輝かしい青春小説!

おすすめポイント

豊島ミホ「神田川デイズ」(Kadokawa 2010)

朝井リョウ同様、早稲田の夜間部在籍中にデビューした豊島ミホ。
ですが、夜間部のせいもあってか豊島ミホ自身にはあまり大学の思い出はないそう。

これは「キラキラしていない人たちの、青春」を書いています。

冴えないオタクで集まって3年過ごしたものの、何もなしていないことに苛立って「童貞メガネーズ」というお笑いを結成したり、成績は優秀で内定もきちんととったものの、恋も友情も生活から遠く、再履修した授業で頑張って友達を作ってみたり。
確かに暗い、地味、冴えない、だけど、誰にでも青春は起こせるし、輝き方はいっぱいあることを教えてくれる。

「#酒、最高!#仲間、最高!」「#ほんとメンツ濃すぎ#表情筋痛いくらい爆笑」

だのインスタグラムで謎ハッシュタグをつけて自分のキラキラ日常をお届けするようなタイプじゃない、どうする俺……と思っている人にこそ勧めたい一冊。

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三浦しをん「格闘する者に○」(新潮社 2005)

三浦しをん「格闘する者に○」(新潮社 2005)

これからどうやって生きていく?

マイペースに過ごす女子大生・可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。
漫画大好きだから漫画雑誌の編集者になれたら……と夢を持ちながらもいざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。

連戦連敗、いまだ内定ゼロ。
呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く。

おすすめポイント

 

格闘……それはずばり「就活」!
三浦しをんのデビュー作、かなりコミカルに就活を描いています。主人公の恋人は脚フェチの60代だったり、友人が同性に恋をしていたり。

就活をテーマにした小説はどうしてもギスギスしがちですが、主人公がふざけた性格のせいでなんだかコントみたいに笑える!
集A社だのK談社だの、隠す気の無い大手出版社の面接で怒りを押し隠しながら就活する可南子。

「数年後には就活だ~」「今から不安…」と思い悩んでいる人の不安をぶち壊してくれるかはともかく、「アッハッハ」と笑って楽しめる就活小説なのは間違いありません。

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三浦しをん「愛なき世界」(中央公論新社 2018)

三浦しをん「愛なき世界」(中央公論新社 2018)

恋のライバルは草だった!?
洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好きで、あえなく失恋してしまう。
見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、変わり者たちに支えられ、地味で地道な研究に情熱を燃やす日々…。

人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?  

おすすめポイント

 

文理問わず、院に進んで研究したいな~と思っている人にぜひ読んでいただきたい一冊。
植物学って、お金にならない分野なのでなかなか研究が進まず、発達しづらい学問だそう。

文学部も似たような傾向があり、「一体自分はなんのためにこんなことにあくせくしているのか」「こんなことに時間を費やして、何かに役立つのだろうか」と研究する一方、葛藤することもしばしば。

ですが、ヘンテコなキャラクターが渦巻くラボでの物語を読み続けるうちに、何かを深く追求して学び続けるって本当にかっこいい!何よりスーパー楽しそう!と思えます。

「大学ではこれを学びたい」「深く研究したいテーマがある」という方におすすめです。

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三浦しをん「風が強く吹いている」(新潮社 2009)

三浦しをん「風が強く吹いている」(新潮社 2009)

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ?十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ることに夢中で突き進む。
自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、かけがえのない仲間と繋がっていく…風を感じて、走れーー「速く」ではなく「強く」。

おすすめポイント

 

映画化もしており、林遣都が主演です。林遣都の骨格の美しさに失神しそうになりました。
運動をしている人も、そうじゃない人も、まずは読んで欲しい。あまりの分厚さにひるんでしまうかもしれません。

しかし文章がとても読みやすい&めっちゃ面白いので、時間を忘れて没頭できます。

寄せ集めのメンバーで駅伝なんて無茶な!と設定に首を傾げながらも、最後は「こいつらならできるかもしれない!」と思わせられる。

読み終わった後走り出したくなった読者はわたしだけではないはず!

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森見登美彦「四畳半神話大系」(角川書店 2008)

森見登美彦「四畳半神話大系」(角川書店 2008)

主人公は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。
悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。

いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!
さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

おすすめポイント

 

大学生活が薔薇色か、ドブ色かを決めるのはやっぱりサークル!
「あの時あっちを選んでいたら違ったのかな?」という妄想、学生なら誰もが一度はしてみますよね

それがなんと小説になって4パターンも繰り出してくる。

彼らはそれぞれの世界で幾つかの同じイベントに違う立場で遭遇するのですが、最後には皆同じところに到達するという、なんとも不思議で巧みな構成。

言葉遊びやSFが好きな人におすすめです。アニメもとってもおもしろい&絵が可愛い!

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森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」

夜は短し歩けよ乙女

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求める。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり…

そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。

おすすめポイント

 

中村佑介さんのとっても素敵な表紙に見覚えがある人も多いかも。
奥手妄想系男子と天然女子の、すれ違いだらけの恋愛小説にやきもきします。

「黒髪の乙女」なるヒロインがとにかくキュート!
京都で暮らし始めた学生は特に、森見登美彦作品はおすすめです。

一見小難しい言葉が多く文体も古風なせいで難解にも見えますが、万人受けの小説であることには間違いありません。

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柚木麻子「けむたい後輩」(2014  幻冬社)

柚木麻子「けむたい後輩」(2014  幻冬社)

14歳で作家デビューした過去があり、今もなお文学少女気取りの栞子は、世間知らずな真実子の憧れの先輩。
二人の関係にやたらイラついてしまう美人で頑張り屋の美里は、栞子の恋人である大学教授に一目惚れされてしまう―。

名門女子大を舞台に、プライドを持て余した女性たちの嫉妬心と優越感が行き着く先を描いた、胸に突き刺さる物語。

おすすめポイント

柚木麻子「けむたい後輩」(2014  幻冬社)

妙なタイトルの小説ですが、これはまあ意地悪な小説です。
素直で天然なヒロイン、サブカル女子気取りの栞子、勝気で努力家の美咲、という3人の女子大生の物語。

「イタタ」と思わず赤面してしまうような、ナルシストで自意識過剰な栞子にイライラしたりニヤニヤしたりしながら話は進むのですが、最後にと栞子が対峙するシーンはなんとも、爽快というべきか陰鬱というべきか。

読者の自意識までもがあぶりだしにされてしまう、肝試しのような仕掛けのある小説なんです。

「(具体的に行動はまだしてないけど)物書きやってみたいんだよね~脚本とかも興味ある!」
「みんなと感性が違うねって子供の時から言われてて~」

なんてたらたら自分語りをしている大学生のみなさん! まずはこれを読んで度胸試ししてください。

これを読んでも精神が折れなかったら、もしかしたら大物クリエイターになれる……かも?

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柚木麻子「本屋さんのダイアナ」(新潮社 2016)

柚木麻子「本屋さんのダイアナ」(新潮社 2016)

私の呪いを解けるのは、私だけ――。

すべての女子を肯定する、現代の『赤毛のアン』。
「大穴(ダイアナ)」というキラキラネーム、金色に染められたバサバサの髪。

自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた彩子。
正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。

しかし、小学校のある出来事をきっかけに、二人は会わなくなってしまうが……試練を越えて大人になる二人の少女。

おすすめポイント

 

あくまでも少女時代を描いたもので、大学生の章は最後だけなのですが、いわゆる「ヤリサー」がモチーフに出てきます。
女子大生の皆さん、自分には関係ないと思っているかもしれませんが、残念ながらこう言った自体はよくあること……。

女子高出身でスレていなかった彩子は、チャラい先輩に処女を奪われ、以来自堕落に大学生活を浪費。
けれど、この物語の中で最後に自分の「呪い」を解きます。

「可愛くなって男の子にちやほやされることが、大学では価値があること」と思ってふるまっている子って多いですよね。
でも、それは自分が自分にかけてしまった「呪い」なのかもしれない。

女の子にぜひ読んで欲しい一冊。

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吉田修一「横道世之介」(2012 文藝春秋)

吉田修一「横道世之介」(2012 文藝春秋)

大学進学のために田舎から上京してきた青年、その名も横道世之介。
そのお人好しな性格から流されるままにサンバサークルに入り、世間知らずの社長令嬢に振り回されたり。子供ができた学生の友人に金を貸したりと、様々な人々と出会いながら忙しい1年間を過ごす。

そして周囲の人々にとっても、世之介との出会いは青春時代の大切な思い出となる。

おすすめポイント

 

主義主張がなくヘラヘラしている極普通の男子大生、世之助。彼の周りの人間は、世之助と関わって少しずつ人生が変わっていく、不思議な男。

高良健吾と吉高由里子主演で映画化されています。

吉高ちゃんが「~ですの」「~世之助さま~」とお嬢様言葉全開で不思議ちゃんヒロインを演じているのがカワイイ。

とにかくふにゃふにゃした世之助は、「何者かになってやる!」「大学で絶対これを達成する!」なんて熱い気持ちとは程遠く、プレッシャーを与えません。

 

イラッとすることもあるのに、なぜだか妙に憎めない愛嬌がある男の子、あなたの周りにもいるのかも?

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終わりに

終わりに

大学生活、夢いっぱい!だけど一体、どんなキャンパスライフなのかちっとも想像がつかない……

そんなときには是非本を読んでみてください。

きっと、登場人物と一緒に悩んだり笑ったりしているうちに、だれかに会いたくなったり、何かを始めたくなったりするはずです。

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